※注意:この記事にはVer6.5後期までのネタバレを含んでいます。
Ver6で登場した天使という種族はとても評判が悪い。
主人公に対して態度がでかいとか、失礼なキャラは過去にも多く登場しており、さほど気にはならないのだが、天使の場合は言っていることが意味不明だった。
「主人公がルティアナを殺した」
なんでそうなるのか?
長い間、空の上からアストルティアのすべて見つめてきたはずなのに。
とくにこのムービーシーン。
いったいコイツは何を言っているんだろうか?
ほとんど呆然としながら成り行きを見守った。
こんなバカな意見をキッパリと否定しないヘルヴェルにはイライラしたが、まあ、ジアクトに汚染されていたのだからしょうがない。
しかし、そのヘルヴェルを「さすがお姉さま」といった表情でウットリとするユーライザには心底呆れた。コイツはダメだ。
あまりにもおかしいので、絶対に何かウラがあると思っていたが、理由はヘルヴェル達ジアクト派の流言のせいだった。
は?それだけ?
その後、正気を取り戻したヘルヴェルが説明したため、多くの天使は主人公への見方を改めることとなる。
いや、単純すぎるだろ!
人に言われた事を自身で確認もせずに真に受けて、態度を変えるバカな天使たち。
そんな中にあって頑なに己の意思を貫き通した天使がいた。
それがピュトスだ。
先述のムービーに登場し、最も意味不明な事を言っていた天使だ。
バージョンアップごとに実績を積み上げる主人公に対し、それでも悪態を吐き続けた。
正しいか間違っているかではない。彼だけは信念を持って悪態を吐いていた。
しかし、イヤな天使代表としてヘイトを一身に集める彼には、過酷な運命が用意されることとなる。
運営はVer6.0ストーリーの悪評にかなり慌てていた。
直後のDQXTVでは、「天使の態度が悪いのには理由があります!」とネタバレともいえる発言までし、さらに後のDQXTVでは「早く次のバージョンになってくれと願っていた」とVer6.0を振り返っている。
しかし、天使に対するプレイヤーの評価はなかなか回復せず、Ver6ストーリーの不評の大きな要因となっていたことは明白だ。
そこで、運営はピュトスを利用した。生贄に選んだのだ。
ピュトスは天使たちに対するプレイヤーのヘイトを和らげるために消された。
メタ的にも、いてもいなくても何ら今後に影響のないモブキャラだ。
それをわざわざ殺した。
天星郷を破壊したいとまで考えるプレイヤーの憎悪のはけ口として。
「神のような主人公に見守られて死ねるのは栄誉だ」と、最期には主人公を認めて死んだ・・・・・・と、私は考えない。
このセリフは彼なりの皮肉だ。彼は最期まで悪態を吐いた。
そう思いたいし、そうでなければ救いがない。
彼は全ての天使たちの罪を背負って死んだ。
人類の罪を背負って磔刑にされたどこかの神のように。